4月23日 プロ修斗舞浜大会 第2試合の裁定について

[大会名]プロフェッショナル修斗公式戦
[日 時]2017年4月23日(日)[会 場]舞浜アンフィシアター
[特別協賛]株式会社ドン・キホーテ
[協 力]日本修斗協会・USA修斗協会・バックステージプロジェクト・DMM.com
[主 催]株式会社サステイン[認 定]ISC

4月23日に行われたプロフェッショナル修斗公式戦舞浜大会
第2試合バンタム級三回戦
金物屋の秀(SHOOTOGYM K’zFACTORY)
vs
一條貴洋(ブレイブハート)

この一戦の裁定について金物屋の秀側から正式に提訴がありました。
プロフェッショナル修斗コミッション(ISC)から、
本件の見解について、ここに発表をさせていただきます。
以下、本文。

SHOOTO GYM K’zFACTORY 草柳和宏 殿

去る2017年4月23日に舞浜舞浜アンフィシアターで行われたバンタム級三回戦
「金物屋の秀 対 一條貴洋」の試合結果について、その結果を不服とする貴殿の提訴を
同年4月30日に受け、日本修斗協会ISC事務局内にて識者の意見も取り入れながら
審議した結論は以下の通りである。

<結論>
以下の見解を踏まえ、当該試合の結果について特にルールの適用を誤ったものではなく
十分に論拠が存在したものと考え、貴殿の訴えを退けることと結論する。

<理由>
まず貴殿からの訴えについてその内容は大きく二つの項目に分けられる。
1)対戦相手の一條貴洋選手(以下、一條選手と記載)は明らかに失神していた。
2)レフェリーは金物屋の秀(以下、秀選手と記載)が絞め技を極められていると誤認識をしていたのではないか。
以上の2点から試合結果について秀選手の「判定勝ち」から「一本勝ち」への変更を要求しているものと受け取っている。

では、上記の内容についてJSA/ISCの見解を述べさせていただく。

[1]一條選手の失神の事実について
試合終了後、失神したまま上半身が震えていた事実を見ても一條選手が数秒間失神状態にあった事について
貴殿の認識は一部正しいと考えられる。
映像ではポジションを奪われまいとする一條選手の左腕が、締めの防御に切り替わった後に
意識を失い脱力しマットに打ち付けられている様子が伺える。
しかしながら上記の内容では残念ながら推察の域を出ないのが実情であり、
映像だけを見て判断できるのは一條選手が降参の意思表示をしていたのか否かだけである。

したがって貴殿の主張する秀選手の一本勝ちの根拠として考えられるのは、
a.試合終了後に失神していた事実。
b.試合中に失神していたことを伺わせる状況。
以上の二点においてであろう。

ISCが認定しJSAが制定するプロフェッショナル修斗公式ルールでは下記の通り定められている。
以下、抜粋。

第20章 試合の勝敗 第52条【勝敗の決定】
試合の勝敗の決定は次の通りとする。
(1)一本(Submission = S)
関節技や絞め技を施された選手が、「ギブ・アップ」、または「参った」と言うか、或いは対戦者の身体やフロアを手や足で連続して2度以上叩く(タップ)などして、ギブ・アップの意志表示をした場合。双方の選手が同時に一本を取った場合はドローとする(ダブル一本)。

(2)テクニカル一本(Technical Submission = TS)
関節技や絞め技が完全に極まったとレフェリーが判断した場合。

(3)ノック・アウト(以下、Knock Out = KO)。
打撃、投げによるダメージのため、試合続行が不可能であるとレフェリーが判断した場合 。双方の選手が同時に試合続行が不可能であるとレフェリーが判断した場合はドローとする(ダブルKO)。

(4)テクニカル・ノック・アウト(以下、Technical Knock Out = TKO)
a. 打撃、投げ、関節技等による負傷のため、試合続行が不可能であるとレフェリーが判断した場合。
b. 打撃や投げを受けた選手が戦意喪失したりギブ・アップの意志表示をした場合。
c. セコンドが試合場内にタオルを投入したり棄権を申し出た場合

以上がルールに定められている。

本件の結果が一本勝利として該当するのか確認をしてみると下記の通りになる。
(1)一本(Submission = S):一條選手が降参の意思表示をしていない為、該当しない。
(2)テクニカル一本(Technical Submission = TS):レフェリーが判断する前に試合時間は終了している。
(3)ノック・アウト(以下、Knock Out = KO):打撃、投げによるダメージに該当しない。
(4)テクニカル・ノック・アウト(以下、Technical Knock Out = TKO):a.最終ラウンド終了時につき試合は終了している。b.c.に該当する事実はない。

つまり、貴殿の主張する訴えについて該当する箇所が存在しないのである。
修斗が競技である以上、定められたルールに従うべきであり貴殿の訴えを退ける理由のひとつである。
では、次にテクニカル一本(Technical Submission = TS)にしなかった
レフェリーの判断の正当性について考えていきたい。

[2]レフェリーの誤認識について
本件について後日、担当した片岡誠人レフェリーに確認したところ貴殿のいう誤認の事実はないと判断した。
また映像でも確認できるが、もし秀選手が極められていると判断したならば両者の真横に位置していなければ
秀選手の表情を確認することはできない。あの時点で片岡レフェリーは両選手の頭の先に位置していた。
明らかに一條選手の状況を確認しており、片岡レフェリーは一條選手に降参か?試合を止めるぞ?と口頭で呼びかけていたと証言している。
次に問題になるのはストップのタイミングが適切であったかどうかであるが、
試合終了の5秒ほど前から片岡レフェリーが一條選手に口頭での呼びかけを行なっていた。その時間が適切であるかはルールに定めておらず、担当レフェリーに一任しているのが実情である。JSA/ISC内の審議では、その長さに問題はないと判断した。

[3]本件についての所感
最後に貴殿の訴えについて「現行のルールが一本を極める姿勢を果たして正当に評価しているのか?」
上記の点について、良き問題提起として意義のあるものと感じた。
判定結果について採点基準に改善すべき点があると気付く機会を与えてくれた事をここに感謝したい。
両選手の努力が無駄にならぬよう、迅速にルール面及び運営面について改善に努めていく事をここに約束させて頂く。

以上。

2017年5月2日
一般社団法人 日本修斗協会
プロフェッショナル修斗コミッション事務局
浦僚克・小島邦裕

[該当試合の公式結果]
[大会名]プロフェッショナル修斗公式戦
[日 時]2017年4月23日(日)[会 場]舞浜アンフィシアター
第2試合 バンタム級 5分3R
○金物屋の秀(SHOOTOGYM K’zFACTORY)61.1kg
判定 3-0
×一條貴洋(ブレイブハート)61.1kg
[採点]
松根良太 30-27(1R 10-9/2R 10-9/3R 10-9)
横山忠志 30-27(1R 10-9/2R 10-9/3R 10-9)
浦 僚克 30-27(1R 10-9/2R 10-9/3R 10-9)