5月4日 アマ修斗(一般)関西選手権 大会レポート

5月4日 アマ修斗(一般)関西選手権 大会レポート

[大会名]第15回アマチュア修斗関西選手権
[主 催]日本修斗協会 関西選手権実行委員会
[日 程]2018年5月4日(金・祝)
[会 場]大阪市中央体育館・柔道場

【2018年、全日本選手権への出場をかけた地方予選がスタート】

今年で18回目を迎える関西選手権は、例年通り各地方選手権に先駆けてのスタート。

例年では6月に行われていたが、今年はプロフェッショナル修斗大阪大会とバッティングしたために5月4日のゴールデンウィークにスライドさせての開催となった。
ゴールデンウィークと重なってか参加者は去年より若干少なかったが関西在住の選手はもとより中四国地方・東海地方からの遠征も見られ、エントリーは少数ながらも好試合の連続となった。

■ストロー級 -52.2kg
最軽量ストロー級は、1回戦判定勝利で決勝へ勝ち上がった三輪勇気(修斗ジム神戸)を、若干16歳・里見拓麿(MMA Zジム)がスタンド、グラウンド共に攻勢に試合を進め、2ラウンド下からの腕十字を極め優勝。
今年も徳島・MMA Zジムの若年選手が軽量級トーナメントで活躍。

■フライ級 -56.7kg
フライ級優勝は打投極のバランスが良く安定した試合運びで若林耕平(コブラ会)が優勝。
準優勝の溝端力也(修斗ジム神戸)はグラップリングのテクニックに優れ、1回戦溝端に敗退した吉井龍城(直心会GYMS)は15歳(!)ながらも打撃・組み共にセンスを感じさせる試合でこれからの成長が楽しみな選手。
バックブローによる反則失格ではあったが田上越累(BLOWS)は観客から声が漏れるほどの打撃を見せ、対する朝倉雅也(KING GYM)も16歳とは思えぬほどの落ち着いた試合運びだった。
5名中10代が3名エントリーのフライ級、全階級を通してタレントが一番そろった階級ではなかっただろうか。

■バンタム級 -61.2kg
バンタム級は優勝候補のPUREBREED鳥取の田中卓朗がシードの2回戦で敗れる波乱。
田中に勝利したのはKING GYM・福丈慶。
福だけではなく同じく秋田良隆、前述したフライ級の朝倉などKING GYMの選手はレスリングベースにしっかりとタックルを切る、フォールする。がとてもよくできた印象。
しかし田中との試合で負傷し決勝は棄権、優勝は逆の山から打撃を主体に勝ち上がってきた金カラク(直心会TK68)が優勝となった。

■フェザー級 -65.8kg
今回最多エントリーのフェザー級はパラエストラ加古川・井上雄斗&木村総一郎が目立った活躍を見せた。
1回戦、上村光(NEW GROUND)をスプリット判定ながらも破った木村は準決勝、優勝候補の一角であった日野陽信(コブラ会)のタックル、クリンチをしのぎ打撃で攻勢に出て判定勝利。
一方の井上は山本虎次郎(ナゴヤファイトクラブ)の柔道ベースの投げに手を焼くも判定勝利、続く準決勝も鋭い打撃と極めで公式戦初出場とは思えぬ試合運びから勝ち上がってきた大宮瑞�曄閉梢寛�TK68)を打撃戦で主導権を握り判定勝ち。
木村、井上共に決勝に駒を進めたが、同門対決を避け木村が棄権、井上にフェザー級優勝を譲った。

■ライト級 -70.3kg
バンタム級、フェザー級の決勝戦が消滅し今回のメインとなったライト級を制して優勝したのはマイケル・ベイカー(BLOWS)。
異国での格闘技大会出場からか、やや緊張が見られる1回戦だったが続く準決勝は1回戦を僅か1分数秒でフロントチョークで極め準決勝に上がってきた瀧内晋(修斗ジム神戸)を打撃で圧倒しKO勝利。
同じく安定したグラップリンングスキルで1回戦判定勝ち、準決勝はRNCで一本勝ちを収め決勝に進んだ大谷一誠(修斗ジム神戸)と決勝を迎える。
決勝戦はストライキングとグラップリングがスイングしメインイベントに違わぬ好試合、一進一退の攻防となり本戦では決着がつかず延長戦へ。
延長戦では前へ出る両者だったが終了間際にマイケルのストレートがヒットしぐらつく大谷、間もなく試合が終了しマイケルが延長判定勝利で激戦を制した。

■ウエルター級 -77.1kg
ウエルター級は一昨年より地道にトーナメント出場を経験してきた八嶋剛司(PUREBREED鳥取)が一気に実力を開花させた結果に。
1回戦、グラップラーの渡邉圭太(修斗ジム神戸)をサウスポーの長い手足から繰り出す打撃で圧倒、グランドではRNCを極め僅か58秒で勝利、決勝戦へ。
決勝戦はブラジリアン柔術黒帯でもあるベテラン越野圭吾(K’zファクトリー姫路)と対戦、本戦では決着がつかなかったが、延長戦ではタックルをいなし打撃をしっかり当てて判定勝し優勝。
終了間際では逆にシングルレッグを仕掛けるも豪快に失敗しボトムへ、しかし終了間際にテークダウンを狙う現代MMAの定石へ果敢にトライした事を評価したい。

■ミドル級 -83.9kg
今回最重量級となったミドル級は追加の応募がありトーナメントが成立した。
初戦が決勝戦となったミドル級は中野勝敏(K友会)と山口力也(無所属)が対戦。
試合開始直後、プロフィールの「空手10年」が信じられないほどの見事な外掛けを打ちテークダウンを奪った山口、しかし中野は冷静に対処しガード→三角へ。
そこからさらに上下が入れ替わり、いわゆる三角マウントの状態へ、そのまま絞め続けた結果山口が失神し僅か1分少々で中野が勝利、ミドル級優勝を決めた。

今回はいつもよりエントリー数が少なかったものの、若年選手の活躍や初出場選手などが多くみられ、この先の大会や来年の選手権なども楽しみに思える結果となりました。
関西選手権が2018年の地方予選のスタートです。
関西地区であれば、今回全日本への出場時権を得られなかった選手も比較的関西から近い中四国や東海選手権などに是非チャレンジしてみてください。

以上、2018年関西選手権リポートでした。

(中蔵 隆志)

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