8月11日 キッズ/ジュニア修斗OM神戸大会レポート

[大会名]Jr.BORDER ACT.23
[日時]2023年8月11日(金・祝)
[場所]神戸市立王子スポーツセンター
[主催]Jr.BORDER 振興会・(一社)日本修斗協会
[特別協賛] 株式会社イサミ・フィットネスショップ・LIMITEST

真夏の晴れ晴れとした天候の中、神戸市立王子スポーツセンターにて
Jr.BORDER ACT.23が開催された。
本大会はキッズ、Jr修斗及び、グラップリングのワンマッチ大会として行われた。
その中でも印象に残った選手をいくつかピックアップしていこうと思う。

先ずは、第一試合から登場の名勝負製造機、坪田 璃一選手(ゴンズジム)。
試合開始と同時にダッシュして一本を獲りに行く姿勢は正に第一試合に相応しい。
全試合気持ちいいぐらいの攻めっぷりで大会に勢いをもたらすと同時に、次戦を控える父親ダイキ・ライトイヤーにも良い流れでバトンを渡すことが出来たのではないだろうか。

キックのタイトルを持つ二刀流ファイター伊藤 瑛大郎選手(総合格闘技道場reliable)。
強いミドル、蹴り足をキャッチしてからの崩し、等ハイレベルな打撃技術を発揮し、最後にしっかりとした極めきる力もみせつけた。
今後キック、総合の二刀流での活躍が楽しみである。

独特の雰囲気を醸し出しますのは前田 英吉選手(直心会生野道場TK68)。
トリッキーな動きを駆使し、全力でアタックする姿が好印象。
まだまだ勝敗に波はあるものの、人を引き付ける色気をもった選手である。
試合後の前田親子を見ていると、勝っても負けても熱いものがこみ上げて来る事は必須である。

今大会個人的に最も華があったと感じた富田 優菜選手(正道会館菱川道場)。
とにかく技の繋ぎが上手く、コンビネーションからの極めが光る選手。
特にヒップスローで崩してからのアームロックはお手本のような美しささえあった。
試合終了後の笑顔も印象的で、すでにプロ興行からかかってもおかしくない様に感じた。

本大会文句なしの最優秀選手賞は須田 雄律選手(SCORPIONGYM)。
下からの仕掛けは相変わらず抜群に上手く、エックスガード、三角等多彩な攻めで観客を魅了した。
今大会ではかなりの対策を練られていたのにも関わらず、その上を行く攻めで極めてみせた。逆組の三角で極めたのは圧巻の一言だ。

個人的に今大会、最も印象に残ったのは西山 怜愛選手(MMA Zジム)。
恵まれたフレームに強者のオーラ、そして荒々しい中にも、一本を極めきる勝負勘の良さ。
一級のプロの様な雰囲気を醸しだす彼女、実は格闘技歴3ヶ月という逸材っぷり。
どう考えてもこの先の展開が楽しみな選手であり、関係者は要チェックである。

今大会の感想としては全体的にタックルの対応、がぶってからの技術が非常に上がっており、
それと反比例して引き込みからの極めの技術、脚関節のエントリーを多用する選手が多かった様に見受けられました。

キッズの大会は毎回技術のトレンドがあり、総合格闘技の歴史をハイスピード追体験しているような感覚になります。

次回大会はどの様な技術的進化があるのか、大会を‘点‘では無く‘線‘としてとらえて頂き、その進化を見て頂けるとより楽しむ事が出来ると思います。

打撃面でも初期に比べ下突きの頻度が極端に減り、綺麗なストレートを多用しそこからロー、ミドル、レバーブローにつなげていた選手が多かった様に思います。

その影響からか、パンチが流れ顔面付近をかすめる部分が多くみられました。
ですので以降各道場、指導者の皆様にはその点に注意した指導をお願いいたします。

最後に今年でJr.BORDERは10年目を迎えることが出来ました。

当時は子供のMMAの大会が無く、頑張っている子供たちに何とか発表の場を作ってあげたいという親御さん達の熱意によって発足されたのがJr.BORDER振興会です。

空調も無かった体育館にも今では空調が入り、
当時の子供たちも今では成人を迎え、あの頃は膝の上に乗っていたちびっ子も今や100キロを超える程に成長している子もいます。

子供たちは自分たちの幸せに向かって進んでいっています。

当時の親御さんたちは子供たちが巣立っていった今でも、のちに続く子供たちのために運営の主軸となって忙しい間をぬって動いてくださっています。

そしてそんなJr.BORDERの意思に賛同して下さりお手伝いして下さる方々もいらっしゃいます。

皆さん、総合格闘技が好きで、修斗が好きで参加して下さっています。

僕の言う「修斗」は一団体、興行としての意味では有りません。
修斗という競技が好きで、情熱を持って広げようと活動されている、日本各地の方々の事です。

そんな修斗、Jr.BORDERに携わって下さる全ての方々に心から感謝の気持ちでいっぱいです。

まだまだ暑い日が続きますが体調管理には気を付け、
元気に次回大会でお会いしましょう。

追記 暫くレポートから離れていましたが山口大会の村井さんのレポートを拝読させて頂き、「誰かが彼等の記録を残さないと」という村井さんの情熱にほだされ再び筆を取った次第です。

出場した子供たちの記録を少しでも残していって、
また何年後かに大きくなった子たちが読み返してくれたらなと思います。

最強より最良を

小堀 貴広

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