5月19日 アマ修斗(一般)沖縄選手権 大会レポート
5月19日 アマ修斗(一般)沖縄選手権 大会レポート
[大会名]第2回沖縄アマチュア修斗選手権
[主 催]日本修斗協会 沖縄選手権実行委員会
[日 程]2019年5月19日(日)
[会 場]沖縄県那覇市/奥武山総合運動公園・沖縄県立武道館・3F錬成道場
[主 催](一社)日本修斗協会 沖縄選手権実行委員会
[協 力]ONE Championship
[特別協賛] 株式会社イサミ・湾岸画廊・フィットネスショップ
昨年初の沖縄県における全日本へのトライアルトーナメント【第1回沖縄アマチュア修斗選手権】が開催され、
秋に行われた全日本アマチュア修斗選手権を経て、若山達也(若柔術)当真佳直(若柔術)饒辺直也(グランドスラムAPP)タ―カ―(シマジリアンズ)と、沖縄県から4名のプロシューターが誕生した。
2014年以降沖縄県から実に13名のプロシューターが誕生し沖縄県でのアマチュア修斗の土壌を築きあげつつある。
今年も昨年に引き続き第2回沖縄アマチュア修斗選手権が開催され総勢24名18試合の熱戦が繰り広げられた。
■女子ストロー級 -52.2kg 2名参加
女子ストロー級は2名のワンマッチ決勝。
昨年11月に行われた【THE SHOOTO OKINAWA】のワンマッチでアマチュア修斗デビューし勝利した古堅まり子(Theパラエストラ沖縄)と今回デビュー小生由紀(グランドスラムAPP)の対戦。
アマチュア修斗経験こそ古堅にあるが、両者は3月の琉球フリーファイトグラップリングにおいて対戦済みでこの時は小生が判定3-0で勝利を収めている。古堅にとっては得意な打撃有でリベンジを果たしたい。
互いに打撃で距離を探りながら距離が縮まった際に引き込んで下になった小生がそのまま十字固め、何度がエスケープを試みた古堅だったが完全に腕が伸びきりタップ。1R1分31秒小生が一本勝ちにより勝利を収めた。
昨年は全日本選手権にエントリーするも自身の怪我により欠場となった小生。
今年は沖縄選手権で勝利し、満を持して全日本選手権に挑みたい。
2009年から始まった沖縄アマチュア修斗の歴史で女子の試合は2回目となった。
近年盛り上がる女子格闘技の流れに乗り沖縄からも女子選手を育成し、女子の試合が沢山行われることを切に願う。
■フライ級 -56.7kg 5名参加
5名の参加のフライ級の優勝候補は昨年全日本選手権BEST8でプロ昇格を果し、
沖縄で学生生活を送っていた事のある藤沢義弘(リバーサルジム横浜グランドスラム)だ。
1回戦シードで迎えた準決勝初戦はテイクダウンからバックチョークにより勝利し順当に決勝進出。
もう一方のブロックは昨年全日本選手権ストロー級BEST8でプロ昇格を果たせなかった畠山隆称(Theパラエストラ沖縄)が1回戦抑え込みを中心に判定勝利し決勝へコマを進めた。
鋭い打撃合戦から蹴った時にスリップした藤沢に対し冷静にトップキープする畠山。
1回戦同様トップキープし畠山がこのラウンドを取るかと思われたその矢先、柔術紫帯の実力を誇る藤沢が十字固め、
これがしっかりと極まり1R2分6秒一本勝ちにより藤沢義弘が優勝。
昨年プロ昇格となったが全日本優勝を目標に置き、決してプロデビューが目標ではないと語る藤沢義弘。
神奈川県出身の沖縄選手権王者は今年9月29日の全日本選手権でも優勝の可能性を秘めた優勝候補であるだろう。
惜しくも決勝で敗れた畠山も本来の階級であるストロー級での奮起を期待したい。
■バンタム級 -61.2kg 6名参加
今回大会1番の参加人数となったバンタム級は、6名中4名がTheパラエストラ沖縄からのエントリーとなった。
1回戦を勝ち上がった新里昭悟(Theパラエストラ沖縄)、嘉数典人(シマジリアンズ)を準決勝シードからの初戦となった昨年の沖縄選手権優勝者、榎本神月(Theパラエストラ沖縄)と波平雄大(Theパラエストラ沖縄)が下し、同門対決にして昨年沖縄選手権バンタム級と同様の決勝戦のカードとなった。
共に手の内を知りきっている両者の戦いは昨年決勝で敗れた波平がワンツー、ミドルと打撃で一方的に攻める展開に。蹴り足をキャッチした榎本だったがその流れで下になった波平の三角締めに捕まり、波平が昨年のリベンジを果たし圧倒的な勝利により優勝となった。
今回初戦も激しい打撃により相手の目尻をカットしTKO勝利した波平が那覇市松山にある格闘技ショップ【EVERGROUND】様ご提供のMVPを獲得した。昨年全日本選手権にエントリーしともに1回戦負けだった波平と榎本。
共に7月の九州選手権にも出場予定との事で、もうワンステップ地方予選を経て9月の全日本選手権でどのような活躍をすることが出来るのか。
■フェザー級 -65.8kg 4名参加
4名参加のフェザー級。昨年、全日本選手権を優勝者し現在プロで活躍する九州の実力者、野尻定由(赤崎道場A-spirit)を破り沖縄選手権を優勝した高校生弱冠16歳南風原吉良斗(Theパラエストラ沖縄)が今年も参戦。
一方のブロックには今年3月プロMMAイベントDEEPでデビューし勝利したばかりの平松翔(パラエストラ千葉)がエントリー、優勝候補と目されたが1回戦工藤圭一郎(グランドスラムAPP)との激しい打撃戦で右ストレートにより顎を打ち抜かれKO敗け、一回戦バックチョークで順当に勝ち上がった南風原VS工藤の決勝戦となった。
打撃狙いの工藤のパンチキックをかいくぐり組みついた南風原、一瞬下になるもすかさずズイープを決めバックに周りこみバックチョーク、1R1分19秒今大会最短一本勝利を極め昨年に引き続き優勝を勝ち取った。昨年は全日本で優勝し現在プロで活躍する野尻に勝利をしたが、全日本で結果を残せず今年もアマチュア修斗にチャレンジとなった南風原。
昨年の悔しさを胸に今年は念願のプロ昇格なるか、16歳とまだ伸び代があるだけにしっかりとしたトレーニングを積み昨年の雪辱を晴らし全日本で結果を残したい所だ。
■ライト級 -70.3kg 5名参加
東京から参戦の竹下登(U-FILE CAMP登戸)、愛知から参戦の野田明彦(NEX SPORTS)青森から参戦の櫻庭泰裕(T-Pleasure)と県外選手が半数を占めたライト級。
総合格闘技15年、沖縄ではその実力は知れ渡っている時田校(闘心)がアマチュア修斗初参戦にして櫻庭、野田、を破り決勝進出、もう一方のブロックはこちらも総合格闘技14年アマチュア修斗29戦10勝19敗と大ベテランの竹下が勝ち上がった。
サウスポーに構えた両者、互いに距離を測りながら打撃戦を展開、1R中盤タックルに入った竹下をがぶってバックに周った時田がバックチョーク、しっかり極まり1R2分50秒一本勝ちにより3回を勝ち抜いて時田校が優勝。
ベテラン、経験者が殆どであったライト級で時田はアマチュア修斗初参戦ではあったが、その老獪なテクニックを存分に発揮し、危なげのない全ての試合を完勝といってもいい内容の戦いぶりであった。
46歳と選手としては高齢ではあるが、全日本選手権ではその老獪なテクニックで若い選手をいなして戦える実力を十分に持っている。沖縄に眠っていた実力者の全日本選手権へのチャレンジが楽しみだ。
■ウェルター級 -77.1kg 2名参加
2名参加のワンマッチ決勝となったウェルター級はともにアマチュア修斗デビュー戦の加藤司(闘心)と親川雅樹(シマジリアンズ)の対戦になった。
パンチで血気盛んに前に出る加藤に防戦一方の親川、中盤何とかタックルでテイクダウンするも加藤が十字固め、しっかり入ったかと思ったが親川は何とかエスケープ、後半は親川がトップキープし1Rを終えた。
2R攻め疲れの見える加藤に対し親川がテイクダウン、終始トップキープし試合終了。判定はO-1(加藤)既定の票数に達しなかった為に延長戦へ。2Rの流れのまま親川がテイクダウントップキープし、1Rの劣勢を跳ね除け延長判定3-0、逆転によりウェルター級優勝、全日本への切符を手にした。
第2回沖縄アマチュア修斗選手権は6階級の決勝のうち実に5試合が1R決着とアグレッシブな試合が続きました。
ボディパウンドが初めて施行された大会でしたが、大きな混乱もなくイエローカードや口頭注意も出ないクリーンな大会となり、選手のアマチュア修斗新ルールへのしっかりとした対応が見られました。
昨年は沖縄選手権を経て4名の選手がプロ昇格を果たしました。今年はここから何名の選手がプロライセンスを獲得するのか、また全日本王座は現れるのか、9月の全日本まで各選手気を引き締めてトレーニングに励んで頂きたいです。
今回特筆すべき出来事として、愛知からアマチュア修斗常連40戦18勝22敗1968年生まれの50歳野田明彦選手(NEX SPORTS)、が遠路遥々参戦しました。昨年度アマチュア修斗規定年齢が参加資格50歳以下と決まった為、今年がラストイヤーとなります。
今回は初戦で優勝者の時田に敗れはしたものの、次は東海選手権に出場したいとバイタリティ溢れ前向きです。7月末に誕生日を迎え、9月29日の全日本選手権当日には51歳を迎える為、東海選手権が最後のアマチュア修斗になる予定との事。長年アマチュア修斗に参戦してきた功労者のラストイヤー。東海選手権での優勝を機にライセンスが下りてくれないかとファン目線で応援したい気持ちです。野田明彦選手の今後のアマチュア修斗ラストチャレンジ、ドラマを期待したい。
以上、2019年5月19日沖縄選手権リポートでした。
沖縄アマチュア修斗実行委員会 沖縄支局長・松根良太